抄録
1) 田中(1954b)により記載されたTetylenchus nicotiana YOKOO et TANAKA, 1954をRotylenchulus nicotiana (YOKOO et TANAKA, 1954) n. comb.として記載した。本種は雄虫が全く検出されず,また二,三の形態的特徴によって他の種から識別される。なお土壌から検出されるのは雌成虫ではなく若雌である。
2) この線虫はタバコにはほとんど寄生しないが,トマト,ゴボウおよびサツマイモにはよく寄生する。
3) 雌成虫の形態がその寄主植物の種類根の性質,根群内の寄生部位などによって変異しやすく,本属の分類上注意すべき点である。