日本応用動物昆虫学会誌
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アメリカシロヒトリにおける食餌植物の相違による体液蛋白質の変化
小原 隆三
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1969 年 13 巻 4 号 p. 185-190

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抄録

野外より採集したアメリカシロヒトリの卵から孵化した幼虫を全令12種の食餌植物で飼育して,終令幼虫の体液蛋白質をアガロース電気泳動法によって分離し,泳動像を比較した。
体液蛋白質の電気泳動像はA, BおよびCの主泳動帯よりなるが,これらの泳動帯が明瞭に現われるのはクワ,ノヤナギ,クルミおよびネグンドカエデを食餌植物とした幼虫においてであり,その他の植物で飼育した場合にはB泳動帯がほとんど認められなかった。また,これらの泳動帯がはっきり認められる場合の食餌植物はアメリカシロヒトリの発育ならびに栄養的に好適なものであると考えられた。
ニワトコおよびカキで飼育した場合の幼虫体液蛋白質にはB泳動帯が認められなかったが,これらの食餌植物をクワへ転換したところ約3日後からB泳動帯が出現した。

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