日本応用動物昆虫学会誌
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ミカンネセンチュウのカンキツ実生苗での発育
牛山 欽司
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1970 年 14 巻 2 号 p. 95-100

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抄録
1) カラタチ,ユズ,夏橙の各実生苗を供試し,ミカンネセンチュウの寄生数,発育期間および発育温度を黒色火山灰土壌(植質壌土)で調査した。
2) ミカンネセンチュウの寄生数は,夏橙が最も多く,ユズも多いが,カラタチではかなり少なかった。しかしカラタチがこの線虫に抵抗性あるいは耐虫性であるとは認められない。
3) ミカンネセンチュウは,幼虫寄生から成熟雌の産卵までの期間が,20∼26°Cの温度(深さ5cmの平均地温)で,夏橙とユズでは5∼6週間,カラタチではこれよりも遅れる。
4) この線虫の増殖の適温は20∼33°Cで,神奈川県の黒色火山灰土壌で4月下旬から9月下旬までの期間に主として増殖する。
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