日本応用動物昆虫学会誌
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マツカレハの2回発生について
小久保 醇
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1971 年 15 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

茨城県鹿島地方において恒常的に出現しているマツカレハの第2回成虫について,その出現にもっとも密接に関連している第1回成虫(越冬世代成虫)の羽化時期,体の大きさ,出現率などを調べた。その結果,
1) 第1回成虫の羽化時期は年によって大きく変動することはなく,例年7月5日頃を中心とするほぼ1か月の期間内に集中していた。
2) 一般に,第2回成虫は第1回成虫に比較して体が小さく,たとえばこれを蛹の体重でみると,前者は後者の約1/2であった。
3) 平常年には第1世代個体群のほとんどすべてが第2回成虫になるとみてよいが,1966年にみられたように,その出現率が25%にみたない年もあった。
4) 第2回成虫の出現は主として気象条件によるが,一方,個体のもつ質的なちがいも大きな影響を及ぼすと考えられる。

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