日本応用動物昆虫学会誌
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ハスモンヨトウの産卵数,卵塊サイズの季節的消長
宮原 義雄脇門 敏治田中 章
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1971 年 15 巻 3 号 p. 139-143

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抄録

サトイモ,サツマイモおよびナンキンマメに産卵されたハスモンヨトウの卵塊数および卵塊サイズの季節的消長を1968年に調査した。
1) サトイモにおける産卵数の消長から,7月以降10月までの間に4つの世代の存在が推定され,それらの世代のなかでは9月の世代による産卵が,各作物いずれももっとも多かった。
2) 各作物における産卵数は,サトイモにおける産卵がサツマイモ,ナンキンマメより多かった。
3) 卵塊サイズは世代によって異なり,サトイモの場合,7月の世代がもっとも小さく卵塊あたり平均卵粒数は269,8月520,9月635と季節の進行にともなって大きくなったが,10月は453で8月との間に有意な差はなかった。この4世代間の卵塊サイズは7月の世代のそれが,平均卵粒数およびその変異の両面から,他の世代より小さく,かなりその傾向は異なった。
4) 作物間の平均卵粒数には有意な差は認められなかった。
5) 卵塊サイズのひん度分布は対数正規性を示した。
6) 採集卵塊から卵寄生蜂は発見されなかった。

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