1981 年 25 巻 4 号 p. 276-279
北陸地方と東海・西日本地方のツマグロヨコバイは発生状態その他に大きな違いがある。この違いが遺伝的な違いによるのか,環境条件の違いによるのかを解明する研究の一環として,両地域間で虫の分布型に違いがあるかどうかを,筆者らが1979年と1980年に両地域の個体数調査で得たデータおよび久野(1968),法橋(1972),嘉藤・若松(1978)らのデータを用いて*m-m回帰分析法で解析してみた。検討の結果,ツマグロヨコバイの分布型は,両地域とも,軽度の集中分布の傾向を示し,地域間の差は見られなかった。