日本応用動物昆虫学会誌
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数種鱗翅目昆虫における細胞質多角体病ウイルスの交差感染と発病
野口 洋子山口 邦友
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1982 年 26 巻 4 号 p. 281-287

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抄録
カイコ,アメリカシロヒトリ,マツカレハの細胞質多角体病ウイルス(CPV)を供試し,5種類の鱗翅目昆虫(カイコ,ヒメシロモンドクガ,アメリカシロヒトリ,ヨトウガ,ハスモンヨトウ)に接種して,交差感染の難易と発病の程度について調査した。
その結果,感染の難易にかなりの差があり,また交差感染成立後の発病程度には,a, 治ゆが起こる;b, 治ゆは起こらないがへい死を免れる;c, 顕著に発病し死亡する;の3つの場合があった。
同一宿主昆虫でも発病の程度はウイルスの種類により異なった。すなわち,カイコCPVた交差感染した昆虫におて,顕著な治ゆ現象が認められた。アメリカシロヒトリCPVおよびマツカレハCPVに交差感染した昆虫では,へい死を免れる程度の発病が多かったが顕著な治ゆ現象は生じなかった。
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