日本応用動物昆虫学会誌
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モモアカアブラムシの幹母の卵巣小管数と産子数
高田 肇
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1984 年 28 巻 4 号 p. 250-253

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抄録
ダイコン葉を餌として飼育したモモアカアブラムシの幹母の卵巣小管数と産子数を調べた。
1) 幹母の卵巣小管数は10∼18本,平均14.7本(n=50)であった。第3世代無翅単性雌では,1個体が9本であったほかは,すべて10本(n=50)であった。
2) 幹母の1匹当り産子数は,20±1°C, 15L-9Dの恒温室では61∼185匹,平均112.8匹(n=6),野外条件下では23∼138匹,平均72.1匹(n=29)であった。このうち4個体は,単性雌の推定最多可能産子数:120匹より多い130匹以上の子虫を産出した。
3) 幹母の4日間当り最多産子数は,恒温室では23∼33匹であった。33匹/4日という産子率(2個体)は,同条件における単性雌のこれまでの最高産子率:28匹/4日より高い。
4) 幹母とその後世代の単性雌間の最多可能産子数や産子率の違いは,卵巣小管数の違いに起因すると考えられる。
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