日本応用動物昆虫学会誌
Online ISSN : 1347-6068
Print ISSN : 0021-4914
ISSN-L : 0021-4914
オリーブアナアキゾウムシ成虫の越冬場所
市川 俊英岡本 秀俊内海 与三郎川西 良雄壺井 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 35 巻 3 号 p. 181-187

詳細
抄録
5年以上害虫防除を行っていない香川県内の4か所のオリーブ園でオリーブアナアキゾウムシ成虫の越冬場所を調査した。園内の地面がすべて雑草と落葉で覆われていた3園には加害を受けて枯死したオリーブが多く,調査樹の樹幹にも多数の成虫脱出孔が認められた。各調査樹とその根元から1mまでの地面を調査した結果,これらの園では生存樹で最少16個体,最高117個体の越冬成虫が発見されたが,調査樹中唯一の枯死樹では2個体しか発見されなかった。これらの越冬成虫の大半は地面に存在しており,存在密度は根元から10cm以内の地面で最も高く,90%以上が根元から50cm以内の地面で発見された。園内がほとんど裸地状態であった残りの1園では,成虫脱出孔が少ないとともに,越冬成虫は最高2個体しか発見されなかった。
著者関連情報
© 日本応用動物昆虫学会
次の記事
feedback
Top