日本応用動物昆虫学会誌
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鱗翅目昆虫病原性微胞子虫Nosema mesnili NM-HC-A8801株のAntheraea eucalypti細胞系への接種と増殖
横田 仁子安永 智佐河原畑 勇早坂 昭二津田 勝男
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1997 年 41 巻 2 号 p. 89-94

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抄録

苛性カリ処理した微胞子虫Nosema mesnili NM-HC-A8801株胞子をAntheraea eucalypti細胞系に接種し,感染・増殖様式および生活環について検討した。胞子接種1時間後,一感染細胞あたりのスポロプラズムの侵入数は1個から2個であった。接種24時間後以降,一感染細胞あたりの原虫数は増加し始め,接種120時間後には原虫細胞産生数は約38個に達した。細胞感染率は接種1時間後,5%であった。接種48時間後以降,二次感染体が未感染細胞へ侵入するため細胞感染率が増加し,接種120時間後,約90%の細胞感染率であった。継代による細胞感染率の推移を調査したところ,継代15回後以降も約50∼60%の高い細胞感染率を維持した。また,N. mesnili NM-HC-A8801株は,カイコ微粒子病病原N. bombycisと同様の生活環を示し,基本的な増員増殖は二分裂であることが確認された。

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