1) イモゾウムシの要防除被害水準を設定するため,生育中のサツマイモ茎における幼虫による被害茎率と収穫時の被害塊根率を13か所のサツマイモ畑に設けた慣行防除区と無防除区について調査した。
2) 被害茎の発生の早い畑および収穫時の被害茎率が高い圃場の収穫時の被害塊根率は高かった。
3) 被害塊根率(Y)と植付後75日目の被害茎率(X)の間にY=20.83+0.95X (r=0.639*)の回帰式が求められた。
4) 慣行防除における収穫時平均被害塊根率13.6%を被害許容限界とした場合,植付後75日以前であれば被害茎率5%を要防除被害水準として農薬散布の決定に用いることができるだろう。
5) 生育中の被害茎率5%を要防除被害水準として薬剤散布を行ったところ,2回の防除で慣行の3回防除と同等の防除効果を得た。