日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
実践報告
高齢障害者の在宅ケアにおける理学療法の意義
勘林 秀行伊藤 日出男桜木 康広金沢 善智
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2002 年 5 巻 3 号 p. 89-93

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抄録

1999年8月から青森県内の辺地に指定された3町村の在宅高齢障害者とその家族65例を対象に,理学療法士が各地域の保健師,看護師,ソーシャルワーカーなどの保健福祉職スタッフとチームを組み,訪問による聞き取り調査と専門的評価および指導を行ってきた.6か月間の訪問指導による効果をBarthel Indexと在宅障害者家族関係評価を用いて比較検討した.訪問指導開始時と終了時で評価できた26名の結果から,月1回の訪問指導であっても在宅高齢障害者の日常生活活動の維持・改善,家族関係の改善に効果があることがわかった.この好結果の要因として,訪問理学療法による身体機能の改善や環境整備などによる直接的効果と,地域のケアチームに理学療法士が介入したことによってリハビリテーションの視点が反映され,具体的な到達目標に向けての包括的な支援に繋がる効果が考えられた.

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© 2002 一般社団法人日本在宅ケア学会
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