われわれは,介護保険制度の非該当となった在宅虚弱高齢者の生きがいや心理社会的側面の助長を図ることを目的として,コーディネーター介入によるテレビ電話を活用した在宅虚弱高齢者同士14名のネットワーク形成を15か月間試みた.
その結果,テレビ電話の活用は,在宅虚弱高齢者の社会的孤立感の解消や自立生活の援助になりえていること,さらに,デイサービス事業の補助的手段とすれば,サービスの向上に寄与することが明らかになった.また,ネットワーク形成のためのコーディネーターの介入は,開始1~2か月の時期のコーディネート機能が重要であること,各コーディネーターが対象者全員の状況把握と理解をすることがコーディネート機能を強化すること,介護専門職としてのコーディネーターの資格要件が在宅テレケア機能を果たすことが明らかになった.