2017 年 12 巻 1 号 p. 45-49
子どもの心身の健康課題は多様化、深刻化しており、課題解決のためには健康相談・健康相談活動は学校保健計画及び学校評価に位置付け、組織的に取り組む必要がある。学校保健計画は、学校保健安全法において計画の策定が規定されている。学校評価は、文部科学省の調査において学校保健を含めた学校評価を行っている学校は6割に満たない。また、これまでに学校保健計画と学校評価との関連をみた研究はほとんど見られない。本研究は、学校保健計画における健康相談・健康相談活動の計画内容と計画時期、及び健康相談・健康相談活動に関する学校評価について実態を把握することを目的とした。
A県内の養護教諭を対象として学校保健計画及び学校評価の提出を依頼し、学校保健計画における健康相談・健康相談活動の実施時期と内容、及び健康相談・健康相談活動の計画内容と学校評価の表現が対応しているかどうかを検討した。
健康相談・健康相談活動は学校保健計画の中に位置付けられていたが、日常の健康観察より子どもの健康面に心配なことが生じたときにすみやかに対応できるよう計画されてはいなかった。また、学校評価を生かした学校保健計画が策定されていないことが明らかになった。多様化、深刻化する子どもの心身の健康課題解決のためには、学校保健計画と連動した学校評価を行う必要があることが捉えられた。