日本健康相談活動学会誌
Online ISSN : 2436-1038
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最新号
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特別報告 新型コロナウイルス感染症から見えてきた健康相談活動の新たな展望
原著
  • 北村 恵美子
    2021 年 16 巻 2 号 p. 26-33
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/01/08
    ジャーナル フリー

     小学校卒業前の子供たちは、中学校進学に対する期待や不安、思春期の心身変化に直面する。この時期の子供たちのストレス過程を把握し、健康支援に生かすことが求められる。本研究は、ストレス緩衝因子として知られているレジリエンシーとソーシャルサポートが、小学校卒業前の子供たちのストレス過程に及ぼす影響を、共分散構造分析により検証することを目的とした。5つの小学校を卒業予定の6年生に自己記入式質問紙を行い、本人と保護者から同意の得られた216名の有効回答を分析対象とした。その結果、ストレッサーからストレス反応およびレジリエンシーに対する有意なパスが示された。レジリエンシーからは、ストレス反応への直接緩衝効果も認められた。ソーシャルサポートからストレス反応への直接的な影響は示されず、父親、母親、友人のソーシャルサポートはレジリエンシーを介して、ストレス反応に有意な影響を与えていた。担任、友人のソーシャルサポートは、ストレッサーを緩衝することで間接的にストレス反応に影響を与えていた。この時期の子供たちにとって、レジリエンシーがストレス過程に影響を及ぼすことが示され、肯定的志向や感情調整、新奇性追求を高めるような健康教育の重要性が示唆された。また父親、母親、友人、担任のソーシャルサポートは、レジリエンシーやストレッサーを介してストレス反応を緩衝し、対人的支援の重要性が示唆された。

実践研究
  • 津島 愛子, 三村 由香里, 棟方 百熊
    2021 年 16 巻 2 号 p. 34-44
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/01/08
    [早期公開] 公開日: 2021/10/01
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、小学4年生を対象に安全で簡単な静的ストレッチングを実施し、その効果を長座体前屈や運動器検診の結果を用いて検証し、学校において実行可能で効果的な静的ストレッチングの実施方法を明らかにすることである。岡山県公立小学校6校に在籍する小学4年生645人を対象とした。静的ストレッチングを月1回実施群81人、週1回実施群102人、週3回実施群109人、非実施群353人の4つの群で調査した。ストレッチングは、クラス単位で学級担任の指示または、指導用のDVDを用いて実施した。ストレッチングの対象部位は、ハムストリングス、大腿四頭筋、下腿三頭筋など下肢が中心であった。ストレッチングの時間は、各部位約15秒間両側1回ずつ合計で約3分間実施した。ストレッチングの実施期間は、月1回実施群のみ5ヶ月で、それ以外の実施群は3ヶ月であった。

    介入前後の長座体前屈の変化において、男子は週3回実施した群4.2±7.0cmが、非実施群1.2±6.6cm、月1回実施群0.5±6.9cmと他の群と比較して有意に大きかった(p <0.05)。女子は週3回実施した群4.0±8.2cmが、月1回実施群-0.03±5.3cmに比較して有意に大きかった(p <0.05)。運動器検診の結果では、肩・肘・下肢の柔軟性に関する項目や疼痛症状を有する児童の割合に群間差はなかった。したがって、小学4年生に対して学校で3ヶ月、週3回の静的ストレッチングを実施することは、柔軟性向上に有効であることが示唆された。

  • ~全日制高等学校運動部生徒を対象に~
    大迫 実桜, 菅原 美佳, 大沼 久美子
    2021 年 16 巻 2 号 p. 45-56
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/01/08
    ジャーナル フリー

     先行研究において、高校の運動部に所属する生徒は誤った食事や偏食による怪我や体調不良などの課題が指摘されている。そこで、全日制高等学校の運動部活動の生徒を対象に、養護教諭が行う食に関する指導(集団指導・個別指導)の食に関する知識、生活習慣、栄養素摂取量への影響を検討した。

     2019年4月~11月にS県内私立A高等学校の運動部生徒計68人に対して、食に関する指導を1回30分、計6回実施した。この評価として、生活に関する項目(12問)、変容ステージを問う項目(1問)、食に関する知識を問う項目(24問)、食事歴法質問票(BDHQ15y)を記名式自記式質問紙調査として行った。その後、対象を2つの群に分け、介入群に食生活記録を用いた個別指導を行った。集団指導では指導前・指導直後・指導3ヶ月後について、個別指導では介入前・介入3ヶ月後について比較を行った。

     集団指導によって、食に関する知識の合計平均点は、「指導前―指導直後」、「指導前―指導3ヶ月後」で有意に上昇した。個別指導によって、介入群の変容ステージを高めることができ、いくつかの栄養素で摂取量を増加させることができた。

     本指導は、養護教諭の立場で生徒の実態をふまえた指導内容を構成した。実態に即した集団指導及び個別指導を養護教諭が生活全般の中の食として指導を行っていくことで、生徒の食に関する知識や行動を良い方向に変えていくことができると考える。

資料
  • 菊池 美奈子, 重年 清香
    2021 年 16 巻 2 号 p. 57-68
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/01/08
    ジャーナル フリー

    目的 心身の健康問題を抱える高等学校の生徒に継続支援を行った養護教諭を対象に、先行研究で示された継続支援過程の初期段階・第2段階の養護教諭の対応から抽出した因子の信頼性・妥当性の検証、初期段階と第2段階の関連性の検証と初期段階と第2段階の養護教諭の対応と関連する養護教諭の経験を明らかにする。

    方法 調査期間2019年8月~12月、A府の高等学校等(161校)の養護教諭232人に質問紙を郵送した。回収112人(回収率48.2%)のうち分析対象者93人(有効回答率40.1%)のデータを探索的因子分析後、初期段階と第2段階での養護教諭の対応の関連性を検証するためにPeasonの積率相関分析、養護教諭の対応因子について高等学校勤務年数及び継続支援件数の関連を検証するために、一元配置分散分析及び多重比較分析を行った。

    結果 探索的因子分析による7因子を分析した結果、各因子の初期段階と第2段階の関連性が明らかになった。養護教諭の対応について、高等学校勤務年数による有意差はなかった。継続支援件数が1-5件の養護教諭の対応と比較して、継続支援件数11件以上の養護教諭の対応が有意に高かったのは、【生徒の様子から生じた感覚】【生徒が表出する言動を承認した働きかけ】【生徒から「何か」を話し出せるような働きかけ】、継続支援件数16件以上の養護教諭の対応が有意に高かったのは、【気になる生徒とつながるための働きかけ】【生徒の言動や変化に応じたかかわり】であった。

    結論 継続支援件数1-5件の養護教諭の対応と比較して、継続支援件数16件以上の養護教諭の有意に高かった対応が、継続支援における実践経験がある熟練した養護教諭の対応であることが示唆された。

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