2021 年 14 巻 2 号 p. 92-98
本研究の目的は、卒業前シミュレーション体験が卒業後に役立っているか、卒業前シミュレーション体験プログラムの有用性について評価することである。対象者は、2018年度卒業前シミュレーション体験プログラムに参加した卒業生18名である。同意が得られた調査対象者に卒業6か月後にアンケート用紙を送付する住所を記載してもらい、アンケート用紙を送付し郵送にて回答を得た。
結果は、卒業前シミュレーション体験と同じような体験を4名(44%)が体験していた。このプログラムの有用性について、8割以上の調査対象者が「仕事をする中で役立っている」、「満足するものである」と回答していた。新人看護師として働いている卒業生にとって卒業前シミュレーション体験は意義があり、卒業後臨床で役立っていたことから効果的な教育方法のひとつであることが示唆された。しかし、実施方法や内容などプログラムの課題も明らかになった。