抄録
目 的
本研究の目的は,妊娠期の夫婦関係を明らかにし,夫婦関係に関連する要因を検討することである。
方 法
産婦人科外来で妊婦健診を受ける妊婦206組の夫婦の夫婦を対象とし,無記名自記式質問調査,妊娠期の夫婦関係は夫婦間調整テストを用い,身体的側面,心理的側面,社会的側面,経済的側面より夫婦関係に関連する要因を検証した。
結 果
妊娠期の夫婦関係は,夫婦間調整テストの結果から,73.3%の夫婦が良好な関係であると認識していた。この夫婦関係に関連する要因は,妊娠期の夫婦関係意識尺度について検討した結果, 「パートナーの受容」,「経済・生活の充実」,「夫の支援・信頼」,「良好な人間関係」,「出産・育児への期待」の5因子が関連していた。
結 論
妊娠期の良好な夫婦関係が育児期へ継続するために,夫婦間の信頼関係や充実した経済的側面が重要であることが示唆された。