目 的
助産師基礎教育に必要となる硬膜外麻酔分娩に関する教育内容および教育到達目標について専門家の意見を集約することである。
対象と方法
デルファイ法を用いた量的記述的研究デザイン。全国の助産師養成課程の教育代表者216名に対して,文献からまとめた前提条件3項目,硬膜外麻酔分娩の概要18項目,助産ケア19項目,多職種連携2項目の計42項目の教育内容について質問紙を作成し「必要」と解答した者の割合を同意率とし,到達目標を含めデルファイ法を用いて収斂した。本研究は郵送法にて行い,ラウンド数は3回とし探索的な調査であることから同意率は51%とし,さらに感度分析として60%・70%でも再判定した。
結 果
216名のうち第1回目調査では65名(30.1%),第2回目調査では52名(24%),第3回調査では43名(19.9%)の協力が得られた。硬膜外麻酔分娩に関する助産師基礎教育内容は計42項目(前提条件3項目,教育内容39項目)のうち,採択基準(同意率51%以上)を満たした項目は35項目であった。感度分析として同意率の閾値を60%以上に設定した場合,採択基準を満たした項目は35項目(前提条件3項目,教育内容32項目)であり,70%以上では32項目(前提条件3項目,教育内容29項目)であった。
教育到達目標については,各教育内容項目に対して到達目標を「理解できる」とすることの可否を評価し,全項目で採択基準(同意率51%以上)を満たした。
結 論
硬膜外麻酔分娩に関する教育内容35項目,教育到達目標は全項目で「理解できる」が採択基準(同意率51%以上)を満たした。助産師基礎教育で硬膜外麻酔分娩を扱うにあたり,前提条件として「産痛のメカニズム」,「自然分娩の知識」や「自然性を尊重する助産師の理念」についての知識が重要であることが示された。さらに,臨地実習における経験機会は地域差や施設の症例により左右される可能性があるが,基礎教育では共通して到達させるべき核として35項目が位置づけられる可能性が示唆された。加えて,同意率が低かった項目は不要であることを意味するのではなく,標準化が難しい内容として,卒後教育や施設内教育での取り扱いも含めて位置づけることが示唆された。
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