背景:2023年3月現在,術中麻酔管理パッケージ研修を108機関が提供しており,2021年度と比べ27施設増と術中および麻酔関連業務に従事する看護師数は年々増加している。本研究の目的は,国内医療提供体制に係る既存資料に基づき,麻酔管理を担う看護師数の将来推計を行うことで,麻酔管理を担う看護師への期待について明らかにすることである。
方法:2023年12月までに公表された既存資料を対象に,病床数,特定行為に係る都道府県別看護師の特定行為に係る研修制度指定研修機関数,医師数,手術・麻酔件数,看護師数,都道府県ごとの実数を比較し,推計値の予測とそれぞれの相関について分析した。
結果:指定研修機関数と医療従事者数,麻酔や手術件数はそれぞれ強い正の相関を示しており推計でも順調な増加を示していた。実態調査に基づく計量テキスト分析結果では,医師の多くは米国や海外でのNAの活動やSMATSの開設,看護師は進学等の情報収集を通しNAの存在を知ったと回答しており,NAの登用に反対意見を持つものは198件中11.8%であった。
結語:医師の偏在と不足,手術患者の高齢化や鎮痛・疼痛管理のニーズの増加に対応し,安全・安心な麻酔提供を持続させるためには,麻酔関連業務を担う看護師の質の担保と数の確保が必要であると考える。その実現のためには①医師・看護界での認知度の向上と受入れ体制の整備,②法律・政治的インフラ整備,③教育・制度面のインフラ整備などの課題解決が求められる。