2019 年 26 巻 4 号 p. 261-266
本研究は、底屈制動短下肢装具を処方された立脚期に膝関節が過剰に伸展する7名の回復期片麻痺者を対象に、ロッカー機能を評価する上で有用な項目として立脚期の下腿前後傾斜角度の変位量に着目し、運動学的な分析項目および臨床評価との関係性を明らかにすることを目的に実施した。結果から下腿前傾角度の変位量と快適歩行速度、FIMの3項目の間に強い正の相関が見られた。立脚期に一時的に下腿の後傾が見られる片麻痺者は、足関節ロッカーの改善が不十分であったと考えられ、下腿前傾角度の変位量と強い相関が見られた上記項目以外に下腿後傾角度の変位量の有無も含めて総合的にロッカー機能を評価する必要性が示唆された。