Phenomena in Nursing
Online ISSN : 2432-1958
Print ISSN : 2432-4914
2型糖尿病に関する食生活行動調査からのポピュレーションアプローチに向けたセグメンテーションの検討
築田 誠 谷口 麻希竹村 和子本田 順子森本 雅和塩見 美抄
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2023 年 7 巻 1 号 p. R1-R9

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抄録
【目的】 2型糖尿病の発症や重症化に関連する住民の行動や心理学的特性を明らかにするとともに,住民の食生活行動を分類し,効果的なポピュレーションアプローチの方策を検討することである。 【方法】  X市主催の集団健康診査の受診者を対象に, 無記名自記式質問紙調査を行い,食生活行動パターンと食を通じた交流パターン,心理学的特性,よく利用する商店や飲食店,関心事・嗜好・住民の行動変容に対する考え方,健康情報の入手先,健診結果の活かし方,糖尿病の既往,基本属性について測定した。食に関する行動や心理学的特性の分布を概観し,K-Means 法を用いた非階層クラスタ分析により対象住民を食行動のパターンで分類した。また,クラスタの特徴を検討するために,食生活行動の回答を数値化した平均値と比率を用いて,統計的に比較検討した。 【結果】  研究対象者は2,302名(回答率43.9%)であった。天井効果や項目間相関が高くない,ポピュレーションアプローチとして実現可能性が高いと考えられる8項目を用いて,非階層クラスタ分析を行った。その結果,『お酒をよく飲む』,『炭水化物だけの食事』,『お酒はあまり飲まず,炭水化物だけの食事も少ない』の3クラスタに分けられた。また,『お酒をよく飲む』と答えた人は男性に多く,「血糖値が高いといわれたことがある」と答えた人も多かった。 【結論】  地域住民の食事パターンは,アルコールと炭水化物の摂取パターンによって3つのグループに分けられた。ポピュレーションベースのアプローチでは,このようなパターンに基づいて対象者をセグメンテーションすることが有効であると考えられる。
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© 2023 公立大学法人兵庫県立大学
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