2020 年 28 巻 1 号 p. 37-40
後脛骨筋腱の機能が破綻する後脛骨筋腱機能不全症は、成人期扁平足の主な原因とされ内側アーチの構造が破綻していることが多く、症状が進行すると足部に疼痛を伴う。後脛骨筋機能不全症候群の治療としては、内側縦アーチ構造が破綻する成人期扁平足には、一般的にアライメントの矯正を目的に足底装具を用いることが多い。しかし、装具療法や薬物治療のみでは症状が改善しないケースをしばしば経験する。今回、後脛骨筋機能不全症候群に対して足底装具(屋外用)を製作したが足部の疼痛が消えなかった患者さんに対して、超音波療法および運動療法と足底装具(屋内外用)の併用により、足部における症状が消失し、改善した一例を報告する。