2021 年 28 巻 4 号 p. 211-204
足関節背屈制限が生じている血友病患者の靴およびインソールに補正を加えたときの歩行への影響を、歩きやすさの主観評価と歩行速度、歩幅、重心移動距離を用いて評価した。2019年に実施された血友病リハビリ検診会の参加者で、靴およびインソールの補正を希望した4名を対象とした。補正後の歩きやすさの主観評価は、対象者4名すべてが歩きやすさを自覚した。補正前後で10 m歩行を比較した結果、歩行速度、歩幅の改善は認められなかった。重心移動距離は第2仙椎レベルでの左右移動量の増加が認められた。靴およびインソールに補正を加えることで、足関節の背屈可動域制限により荷重が十分に行えていなかった状態が改善される結果が示された。