経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
論文
数理組織論による投資配分問題の定式化について
渋谷 綾子
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 13 巻 2 号 p. 107-121

詳細
抄録

本論は,複雑な問題を分割して,比較的単純な情報処理の集合体に再編成し,合理的な調整によって問題を解決する試みについて,Organizational cybernetics theory[7]を適用した投資配分問題を例として考察する。本論の投資配分問題は,シナリオ法を採用している。想定される将来の投資環境を個々にシナリオ化し,生起確率付きの複数のシナリオの集合で環境を表現する。このモデルの目的は,シナリオ集合で資産運用して得られる効用が投資家にとって最適になるような投資案を作成することである。Organizational cybernetics Theoryによる投資配分問題では,シナリオ集合全体を“組織”,個々のシナリオを“組織構成ユニット”とみなし,“組織的調整”(以下「調整」とよぶ)を用いて組織構成ユニットの個別最適解を組織全体の最適解に収束させる。大規模で複雑な問題を分割して得られた単純で小規模な情報処理の解の集合は調整されないと大規模で複雑な問題の解とはならない。問題の組織的解決では,いかに有効で効率的な調整を行なうかが論点になる。

著者関連情報
© 2004 一般社団法人 経営情報学会
前の記事
feedback
Top