経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
論文
多項ロジットモデルを用いた消費者のブランドスイッチ行動予測モデル構築法の提案
坂巻 英一齊藤 俊則
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2006 年 15 巻 2 号 p. 23-38

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抄録

近年の情報技術の進歩に伴い,小売業界を中心に顧客の購買履歴をデータベースに記録するいわゆるPOSシステムが広く普及しつつある.POSシステムには,膨大な個々の顧客の購買履歴が時系列的に記録されており,このデータを分析し顧客の購買行動パターンを把握することは,小売業界がマーケティング戦略を立案する上で,非常に有効である.とりわけ,顧客が購買ブランドをスイッチするいわゆるブランドスイッチのパターンを把握することは,それまで他社ブランドを購買してきた顧客を自社ブランドユーザとして取り込む際,あるいは,自社ブランドのユーザが他社ブランドへ流出することを未然に防ぐ戦略を構築する際などに重要であると思われる.

本論文では,いわゆる多項ロジットモデルを用いた消費者選択行動予測モデルをもとに,消費者のブランドスイッチ行動を把握するモデルを構築することを試みる.併せて,カスタマーコミュニケーションズ株式会社より提供された,ドラッグストア業界におけるPOSデータを利用することにより,本論における提案モデルの妥当性を検証することを試みる.

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© 2006 一般社団法人 経営情報学会
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