我々は本稿で,ネットワークというものが産業構造にどのような変化を及ぼすかを分析する。そのためにまずネットワークという概念の分析を行なう。その上でネットワーク産業をプラットフォーム産業として捉え直すことを試みる。次にコンピュータ産業, とりわけアメリカのソフトウェア産業で生じている産業構造の変化に着目し,これを産業のネットワーク化の観点から分析する。そこではネットワークの中で個々の企業の壁を越えたネオギルドとでも言うべき知識のネットワークが構成されており,それがソフトウェア技術における改善と進化の利得をもたらしていることが主張される。次に我々は,下請け中小企業の高度工業集積に着目しそのネットワークメリットについて分析する。その上で新しい中小企業集積の可能性を産業の知識化の中に見いだそうとする。