1998 年 7 巻 3 号 p. 95-112
近年の情報ネットワークの進展とともに、 ドラッガーのいう「知識社会」が現実のものとなりつつある。そのため、企業組織における「知識」が戦略的に重要なものとなってきた。本稿では、このような背景に基づき、知識集約的企業組織におけるナレッジマネジメントの問題を探究する。まず、知識集約的企業組織の定義付けと、経営での課題を明確にする。次に、ナレッジマネジメントに関する考え方や事例分析の既存研究から、プロセス管理との関連、知識資産・知的生産性の問題、という面から調査を行う。そして、ナレッジマネジメントに関するそれらの問題を議論するために役立つ既存のモデルを概観し、その位置付けを明確にする。その上で、複数種類のモデルの統合方法を提唱しながら、分散知能モデルをナレッジマネジメントに適用するための考え方と、 その意義について議論を行う。 最後に、経営手法と情報技術を適用する際の問題を、分散知能モデルを通して考察する。