造船協會會報
Online ISSN : 1884-2054
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弁無往復働汽機に就いて
山根 繁昌
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1954 年 1954 巻 76 号 p. 167-172

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抄録

本機械は三段膨脹の往復働汽機に於て高圧気筒の蒸気入口側に蒸気弁を装備し, 高圧及び中圧気筒並びに中圧及び低圧気筒の間の蒸気溜を廃止し両気第の中間を蒸気導管を以て連絡するのみである。気筒への給気及び廃気には滑弁を備えずにピストン自体を以て蒸気の出入を掌らしめ, 高圧気第より低圧気筒に到るまで蒸気を連続膨脹させる方式である。
斯くして蒸気溜に於ける蒸気圧力の落下を防止し, 更に廃気の流出に伴うて気筒の高温部に生ずる熱損失を防止し, 汽機の蒸気の消費量を減少すると同時に, 機関の全重量を軽減し, 機関の容積を縮少する事が出来る。

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© 日本船舶海洋工学会
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