日本外傷学会雑誌
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術中ICG蛍光法による血流評価が有効であった外傷性腸間膜損傷の1救命例
小川 克大清水 健次辛島 龍一新田 英利増田 俊郎松本 克孝沖野 哲也川野 雄一朗杉山 眞一前原 潤一髙森 啓史
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論文ID: 34.3_15

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抄録

 外傷性腸間膜損傷では, 速やかな止血ならびに腸管血流の評価が必要である. 今回, 術中Indocyanine green (以下ICG) 蛍光法による血流評価にて腸管温存が可能であった症例を経験した. 75歳男性, 交通外傷にて当院搬送. 来院時ショック状態でfocused assessment with sonography for trauma (FAST) 陽性. 初療室開腹を行うと小腸腸間膜損傷を認め, 縫合止血施行. ダメージコントロール手術とし一時的閉腹後ICUにて管理. 24時間後にsecond look operation施行. ICG蛍光法による血流評価を行ったところ虚血を認めず腸管温存が可能であった. 外傷性腸間膜損傷において, second look operation時にICG蛍光法にて腸管血流評価を行うことは有用であった.

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