日本外傷学会雑誌
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V-A ECMO (Veno-Arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation) 使用下での胸骨圧迫後肝損傷に対する開腹手術について
谷野 雄亮本間 宙石上 雄太下山 京一郎高島 順平会田 健太平山 優鈴木 彰二
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キーワード: 胸骨圧迫, VA-ECMO, 肝損傷
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 37.3_02

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抄録

 胸骨圧迫に合併する肝損傷は, 体外循環装置使用下では治療に難渋する. 心肺停止に対するV-A ECMO (Veno-Arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation) 導入後に肝損傷が遅発性に顕在化し, 手術療法で治癒した2例を経験したため報告する. 1例は, 冠動脈形成術後のCT検査で造影剤漏出像を伴う肝損傷が顕在化し, 腹部コンパートメント症候群に陥り緊急開腹手術を施行した. 1例は, V-A ECMO導入後のCT検査で血性腹水が増加し緊急開腹手術を施行した. 2例とも生存転帰を得た. V-A ECMOでは抗凝固薬の使用が必須で易出血性となり, また腹腔内出血による循環血液量減少や腹腔内圧上昇によりECMO継続が困難となる. V-A ECMO下でも緊急開腹止血術を施行可能である.

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