生物教育
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研究論文
イネ種子の発芽過程を調べる実験教材
Ⅱ.アミラーゼ活性の種子内分布
尾山 廣森本 弘一杉村 順夫
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2022 年 63 巻 2 号 p. 74-82

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抄録

穀類の種子発芽は高等学校「生物」で学習する.イネ種子は3つの主要部分―胚,胚乳,糊粉層―から成り立っているが,発芽や芽生えの成長には,これら3部分がアミラーゼを介して相互に関係を持つ.この関係をよりよく理解できる教材を開発した:(1)種子領域別のアミラーゼ活性を調べる実験:発芽種子の連続スライス片を調べると,種子内でのアミラーゼ活性は,発芽から芽生えの成長に伴って,胚と胚の周辺領域から始まり,徐々に種子末端領域に拡がることが分かった.(2)種子部位別のアミラーゼ活性を検出する実験:アミラーゼ活性は発芽分離胚および分離糊粉層から検出された.また,胚を取り除いた種子では,ジベレリンで処理することにより,アミラーゼ活性が出現した.これらの実験から,胚で合成されたアミラーゼは発芽に関係し,糊粉層で合成されたアミラーゼは胚乳デンプンを分解し,芽生えの成長に関与していると確認できることが分かった.

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© 2022 一般社団法人 日本生物教育学会
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