バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
バイオフィードバック訓練におけるフィードフォワード要素の機能
宮本 芳文秋葉 光俊
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1997 年 24 巻 p. 70-73

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抄録
本研究ではフィードバック訓練時の各被験者のフィードフォワード機能とフィードバック機能との機能的関連性に注目した.実験にあたって被験者10名をFF群とnoFF群とに群別した.FF群の被験者には,毎回訓練を実施する直前に,それぞれのモデルとなるようなα波出現時間帯(PTA)推移を作意的に作成した信号を聴取させた.この手続きの訓練は教師付き学習を意味し,被験者のフィードフォワード機能が合目的的に改善されることを期待した.一方,noFF群には上記の信号を聴取させることなく,単にフィードバック訓練を続行させた.実験結果によると,FF群はnoFF群に比して平均的にα波活性促進が優れていることが認められた.この結果から,適切なフィードフォワード機能をもっていることは被験者の自信に繋がり,α波の活性化に重要な役割を果たすと考えられる.すなわち,フィードバック訓練をフィードフォワード機能によって補償することはα波活性促進に有効であると判断される.
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© 1997 日本バイオフィードバック学会
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