私たちはメタバースの次の技術として,(1)ロボット・ドローンを用いた現実へのアプローチと,(2)バイオフィードバックによる理想的なバーチャル空間の構築を試みている.(1)を実現する取り組みとして,アバターロボット・アバタードローンを制作し,メタバースから国を跨いてそれらを遠隔操作できる実証を行った.技術的な課題や演出面での工夫等,改善の余地はあるが,メタバースから現実へのアプローチとして第一歩を踏み出せたものとなっている.また,アバターチャレンジというアバターロボットを用いた運動会を行うことで,アバターロボットの社会実装を目指す試みも行っている.(2)を実現する取り組みとして,脳波等のバイオフィードバックを用いた,その人にとって最大限に臨場感のあるバーチャル空間を作る方法について紹介している.Galeaという脳波等のバイオセンサーを一体化させたVRヘッドマウントディスプレイも発売が開始されており,フルダイブを待望するゲームユーザーを満足させられると期待される.
ChatGPT等のLLMが急速に発展したことにより,ロボットやドローンのAI化が加速している.これらの延長線にサイバー空間とフィジカル空間の密な融合が行われると考えられており,メタバースとの関係性も見直されていくだろう.この時,ロボットやドローンの身体感覚(?)をバイオフィードバックによって実現することもできるのではないだろうか.この分野が幅広い領域に広がっていくことを期待している.
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