行動医学研究
Online ISSN : 2188-0085
Print ISSN : 1341-6790
ISSN-L : 1341-6790
総説
心理医療と行動医学―臨床心理学の立場から
(REBTを中心に)
橋口 英俊
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 7 巻 1 号 p. 1-7

詳細
抄録
筆者はこれまで、専門の臨床心理学や東洋医学を通じて、病院や大学その他の相談機関で数多くの悩める方の相談に従事してきた。ここでは、これらの経験を踏まえ、最近、カウンセリングや臨床心理の世界で注目されている代表的な認知行動療法の1つであるREBT (Rational Emotive Behavior Therapy) について、若干の資料と共にご紹介したい。ここで、REBTの特徴を要約しておくと次のようになる。(a) 症状の除去より、その背後の人生哲学に注目し、その矛盾に気づかせ、ラショナルなものに変えることに関心がある。(b) 実存的人間主義的立場に立つ。人が今ここに生き、存在することに価値があり、人間はあくまで人間であり、不完全で過ちを犯しやすい存在であることを前提に、それを受容し、克服する道を示す。(c) 感情行動を重視し、それがビリーフを変えることでよりよく幸せに生きる道が拓かれることを学ぶ。最後に筆者の関わった事例 (手記、REBTインペントリー) を紹介し参考に供したい。
著者関連情報
© 2001 日本行動医学会
次の記事
feedback
Top