行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
カウント・アラーム・システムの開発について : 夜尿の在宅訓練システム(<特集>行動療法と行動評価)
南 諭小野 隆章古賀 愛人久野 能弘
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1984 年 10 巻 1 号 p. 32-43

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抄録
関西行動療法センターにて開発したカウント・アラーム・システムは,「睡眠中に排尿する行動」から「睡眠中に排尿しない行動」への行動変容を,効率的に行なわせることを目的とした在宅治療訓練システムである。過去の夜尿治療器による行動療法の変遷を考察した時,そこには様々な要因がからんだ夜尿に対し,いくつかの治療技法を治療器と有機的に組合わせた統合的治療訓練システムの開発が遅れていることが分かる。特に,夜尿児の行動分析を行うと,夜尿治療に対する動機づけが親子共々に低いことがうきぼりにされ,夜尿訓練システムの開発にあたっては,この動機づけを高める工夫が包含されねばならないと考察された。そこで,夜尿行動アセスメントのための記録ノートである「ロボノート」を中核にし,そこに治療訓練器である「カウントロボ」,清潔訓練,自己暗示,報酬療法による各技法を有機的に組合わせ,在宅指導が可能な統合的治療訓練システムを開発した。この夜尿の在宅訓練システム(カウント・アラーム・システム)は,多様なタイプの夜尿児に対して,各夜尿児に応じた訓練法の展開バリエーションが可能であり,効率的な夜尿治療を行ないうるものと考える。
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© 1984 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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