2008 年 34 巻 1 号 p. 33-42
本研究は、不安と自己関連処理との関連について検討することを目的とした。60人の実験参加者は不安条件、ノイズ条件、負荷なし条件に割り当てられ、呈示された中性語に対して、自己関連づけ課題、他者関連づけ課題、意味課題の3つの方向づけ課題を行い、その後自由再生課題を行った。実験中、不安条件では不安を喚起させ、ノイズ条件では80dBのホワイトノイズを呈示した。その結果、不安条件では他の条件に比べて自己関連づけ課題の再生率が低くなっており、不安は自己関連づけ課題の再生成績にのみ影響を及ぼしている可能性が示された。