2010 年 36 巻 1 号 p. 1-14
本研究の目的は、Children'sSocialProblem-SolvingScale(C-SPSS)を開発し、学級単位で実施する社会的問題解決訓練の効果を検討することであった。研究1では、92名の児童を対象に自由記述による質問調査を行い、対人的トラブル場面を収集した。次に、小学生365名を対象とした本調査を実施した。その結果、C-SPSSは再検査法により十分な信頼性があることが示され、内容的妥当性と構成概念妥当性も確認された。研究IIでは、43名の児童が社会的問題解決訓練群に、45名の児童がウェイティングリスト統制群に設定された。訓練実施後、統制群には変化がみられなかったのに対して、訓練群では問題解決スキルが有意に上昇していた。これらの結果から、C-SPSSの実用的可能性、および社会的問題解決訓練の効果および課題が検討された。