2011 年 37 巻 3 号 p. 157-169
本研究の目的は、1型糖尿病患児を対象としたキャンプが、患児のセルフケア行動に及ぼす影響について長期的な検討を行うとともに、セルフケア行動に影響を及ぼす要因として指摘されている罹病期間、セルフエフィカシーとの関連について検討を行うことであった。1型糖尿病患児20名に対して、キャンプ前後、1カ月後、6カ月後にセルフケア行動とセルフケア行動に対するセルフエフィカシー、罹病期間を測定した。分析の結果、キャンプ参加によってセルフケア行動が一時的には増加するものの、長期的にはセルフケア行動は維持されず、また、罹病期間が長い、もしくは、セルフエフィカシーが低い患児は、セルフケア行動の遂行が十分ではないことが示された。罹病期間とセルフエフィカシーを考慮したキャンプでの関わりが、患児のセルフケア行動を高めるために重要であることが示唆された