本研究は、うつ病性障害の児童青年に認知行動療法プログラムを適用した3事例についての報告である。治療前、すべての対象者は気分変調性障害、および複数の不安障害の診断基準に合致していた。心理士による8セッションの認知行動療法プログラムが実施された。その結果、すべての対象者が気分変調性障害の診断基準から外れることが示され、その効果は3ヵ月後においても維持されていた。そのうち2名の対象者については、自己評定の抑うつ尺度のカットオフ値を用いた基準において、臨床的に有意な改善を示すことが明らかとなった。加えて、すべての対象者が不安障害の診断基準においても改善が見られることが示された。以上のことから、本研究は、心理士によるわが国のうつ病性障害を示す児童青年に対する認知行動療法の適用を支持する初期的な成果を示すものである。