行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
抑うつ者に対して行動活性化療法を適用した症例報告
首藤 祐介山本 竜也坂井 誠
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2015 年 41 巻 2 号 p. 137-147

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抄録

行動活性化療法は生活の中で強化される経験を増やす行動を活性化することを目的とした、抑うつのための構造化された短期療法である。本事例においては、大うつ病性障害により休職に至った29歳の男性に対して活動スケジュールと回避行動への介入を中心とした14回のセッションと2回のフォローアップ(1回45分)を実施した。その結果、活動が増加するとともに、Self-rating Depression Scale(SDS)の得点が65点から37点に減少していた。1年後もSDSの得点が37点であり、長期間効果が維持されることが明らかになった。このことから、行動活性化療法は回避行動や反すう、生活習慣の乱れによって抑うつ状態にあるクライアントに効果が期待でき、復職支援にも有効であると考えらえる。

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© 2015 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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