行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
実践研究
慢性疼痛を併存する社交不安症に対してアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を適用した症例報告
小川 成
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2016 年 42 巻 3 号 p. 313-321

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抄録

慢性の腰痛を併存した社交不安症に対しアクセプタンス&コミットメント・セラピー(Acceptance and Commitment Therapy: ACT)を施行した経験について報告する。クライエントは40歳代の女性である。経過の中で認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy: CBT)を施行したが改善は見られていなかった。アイフォート・フォーサイス(2012)のマニュアルに基づいた毎週1時間、計12回のACTを施行した結果、社交不安症の症状と腰痛に変化が見られた。しかし、CBTを施行されたことのあるクライエントの場合、ACTとCBTを混同する可能性があり留意すべきである。

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© 2016 一般社団法人日本認知・行動療法学会
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