行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
原著
価値の明確化尺度の作成および信頼性と妥当性の検討
齋藤 順一柳原 茉美佳嶋 大樹岩田 彩香本田 暉大内 佑子熊野 宏昭
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 43 巻 1 号 p. 15-26

詳細
抄録

本研究の目的は、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)のコア・行動的プロセスである価値づけ、コミットされた行為を測定する尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検討することであった。研究1における探索的因子分析の結果、本尺度は【動機づけ】・【行動継続】・【強化の自覚】の3因子から構成された。本尺度は、十分な内的整合性、収束的および弁別的妥当性が確認された。研究2では、構成概念妥当性を、共分散構造分析により検討した。その結果、【強化の自覚】・【動機づけ】が高まることで【行動継続】が高まり、主観的幸福感が増加することで、結果的に体験の回避が減少する可能性が示唆された。今後は、臨床群、異なる年齢層などの幅広い属性を持つ被験者を対象として、信頼性と妥当性を検討していくことで、本尺度の有用性を確認する必要がある。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人日本認知・行動療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top