主題図と応用地理学

抄録

時運の進展にともない, 地図の作成は最近にいたって種類の多角化を加えた。ベースとしての一般図的主題すなわち一般図の内容の, 整理縮少の傾向にもかかわらず, 特定主題の地図化は花ざかり, いわば主題図的主題の黄金時代を, 戦後は迎えたといえる。あるいはむしろ, 一般図的主題の簡略化のゆえに, その機能の肩代りを主題図的主題へむけたとも考えられる。しかしながら, 一般図と主題図との機能的役割を同一視することはその発想上の点から不都合であり, 当然両者については, それぞれに別個の系列で内容を考えることが肝要である。
いま, 若干の主題図的主題のいわゆる応用地理学的背景にたいするいささかの見解を示したい。