文化人類学
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津波災害復興における社会秩序の再編 : ある高所移転を事例に(<特集>災害と人類学-東日本大震災にいかに向き合うか)
木村 周平
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2013 年 78 巻 1 号 p. 57-80

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抄録

本稿の目的は、東北地方太平洋沿岸部のある地域における津波災害後の復興プロセスについて記述・分析することで、そのプロセスにおける問題点を見出すとともに、人類学からの関与のしかたについて論じることにある。復興のあり方については様々な議論があるが、なかでも「コミュニティ」をその主体と捉え、復興とはつまり「コミュニティの再生」だとする主張が盛んになされている。それに対し本稿では、この主張を相対化することを試みる。本稿では、復興のプロセスを、社会秩序の再編と捉え、その地域の内外の人びとが意図的または結果的に形成した「集まり」との関わりで記述する。そのうえで、それぞれの「集まり」の相互関係や成り立ちを分析し、そこから見える多様な動きや変化の可能性について明らかにする。そして結論として、(1)復興過程を、潜在的あるいは顕在的な差異を踏まえて詳細に見ていくことの必要性、(2)集団移転という制度がはらんでいる問題性、(3)人類学から復興に関与できる1つの可能性、について論じる。

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2013 日本文化人類学会
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