抄録
【目的】連続した座位行動を意味する座位Boutから在宅要介護高齢者の座位行動を類型化し,各群の生活機能の特徴を検討すること.【方法】訪問リハビリテーションを利用する在宅要介護高齢者の生活機能と身体活動量を横断的に調査した.33名のデータが分析に用いられ,座位行動時間と30分未満,30~59分,60分以上の座位Boutから階層的クラスター解析を行った.【結果】座位行動時間と60分以上座位Boutが多く,30分未満座位Boutが少ない持続座位群,これとは対照的な短時間座位群,これらの中間的特徴を示す中間座位群に類型化された.持続座位群は他の群に比べ歩行能力,応用日常生活活動が低く,日常生活活動も低い傾向にあった.短時間座位群と中間座位群は生活機能に明確な違いを認めなかった.【結論】座位Boutにより在宅要介護高齢者の座位行動の類型化が行え,生活機能だけでは説明できない座位行動を示す者も存在することが明らかとなった.