2024 年 3 巻 p. 112-118
【目的】訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)と通所リハビリテーション(以下,通所リハ)の併用が,主介護者の介護負担感にどのように影響するのか事例考察すること.【方法】退院後に介護負担感が高かった主介護者と事例に対して,訪問リハと通所リハによる介入を行った.訪問リハでは主介護者に介護指導を中心に実施し,通所リハでは事例に運動療法と動作練習を実施した.【結果】介入2ヶ月後,事例の動作能力の改善と共に主介護者の介護負担感は軽減したが,介護肯定感の低下を認めた.介入4ヶ月後には夜間の排泄に伴う介護負担感が生じたため,ショートステイなどリハ以外の対応を検討した.【結論】通所リハでは動作能力の向上を目的とした介入を行い,訪問リハでは主介護者に通所リハで獲得した動作能力を生かす介護指導を行うことで,介護負担感の軽減につながる可能性がある.また,リハで対応できる介護負担感か否かを評価し,難しい場合には柔軟にサービス内容を見直すことが重要と考えられた.