2024 年 3 巻 p. 35-42
【目的】腰椎術後3ヵ月の高齢者における外出の実態について調査をするとともに,低活動となる対象の特徴を明らかにすることを目的とする.【方法】脊椎専門病棟に入院した高齢腰椎手術患者(65歳以上)に,術前と術後3ヵ月の生活空間,健康関連QOL,疼痛,痺れ,退院時に心身機能,日常生活自立度及び基本情報を調査した.術前と術後3ヵ月の生活空間の比較を行うとともに,生活空間のスコア56点以下を低活動群とし,各収集項目の群間比較を実施した.【結果】術前と比し術後3ヵ月にて全ての項目の有意差を認め,外出頻度では週4-6回,週1回未満で有意差を認めた.術後3ヵ月の低活動群の特徴としては,術前では要介護度の取得状況や疼痛の程度,退院時では身体機能,術後3ヵ月では精神的な健康関連QOLの有意差を認めた.【結論】腰椎術後3ヵ月の高齢者は術前より外出頻度の増加を認める一方,低活動群は術前,退院時,術後3ヵ月の指標でそれぞれ非低活動群と有意差を認めた.