2025 年 4 巻 2 号 p. 114-121
【目的】本研究は,人工股関節,膝関節置換術後の外来患者99名を対象に,遠隔リハビリテーション(以下,遠隔リハ)の介入効果を予備的に検証するものである.【方法】傾向スコアマッチングにより,遠隔リハ介入群(19名)とコントロール群(19名)を選出し比較分析を実施した.【結果】遠隔リハ介入群はコントロール群と比較し,6分間歩行テスト(6MWT)で有意な改善を示した.また前後比較において遠隔リハ介入群では,Pain Self-Efficacy Questionnaire(PSEQ)とWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)の機能および疼痛項目においても有意な改善が観察された.【結論】遠隔リハは身体機能の向上だけではなく,心理的要因であるPSEQにもポジティブな影響を与え,退院後の患者のサポート手段として有効である可能性が示唆された.