2025 年 60 巻 1 号 p. 81-84
宮城県登米市では、脳血管疾患の新たなアプローチとして東北大学と協力し、2017年度の特定健診より特定健診受診者全員にナトカリ計を用いた尿中ナトリウム・カリウム比 (尿ナトカリ比) を測定し、その場で結果を回付、尿ナトカリ比に関する情報提供を行っている。健診受診者は毎年およそ15,000人で、ほぼ全員が尿ナトカリ比を測定している。
尿ナトカリ比を7年間測定した結果、初年度と比べて2年目、3年目で集団の平均収縮期血圧や尿ナトカリ比が低下していた。また、食生活改善推進員や企業と連携し作成したナトカリレシピをもとに、道の駅とレシピの惣菜化を図り販売する等、広く市民に尿ナトカリ比について周知を行っている。さらに、子どもの頃から食に関心を持ってもらう機会とするため、市内の小学生の親子を対象にナトカリレシピコンテストを開催し、入賞レシピは学校給食でメニューとして提供する等の活動を展開し、尿ナトカリ比の情報を活用しながら官民一体となって適塩推進に取り組んでいる。