2025 年 60 巻 1 号 p. 74-80
筑波での大学・大学院時代、地域保健・職域保健活動を通じて、EBPM (Evidence based policy making) に魅せられた。
健康科学センターを建てると言われて大阪に行き、二次自治体によるポピュレーションアプローチ、とりわけ食育活動を進めた。フィブリノーゲン、次いで高感度CRPをリスクファクターとして検出した。日本人でのスタチンの二次予防効果も出せた。
衛生研究所とがんセンター研究所で大規模コホート研究を行うと言われて千葉に来た。ゲノムの寄与も含めて。コホート研究から介護予防に寄与する食生活を示せた。介入研究から、減塩につながる小学校での授業を指導要領まで落とし込むこと、メタボ予防につながる特定健診の場での情報提供方法を示すことなど、行政の側に立つことでできる検討を続けている。
衛生研究所にいるおかげで感染症・微生物のいわゆる生活習慣病への寄与に注目している。新型コロナ禍で関連については確信に変わってきた。近い将来、NCDという言葉は無くなるのではないか。